武田学校

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チェルノブイリ原発の爆発プロセスの検討

 チェルノブイリ原発がどうやって大爆発したのか?その爆発プロセスとメカニズムをまとめてみた。

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チェルノブイリ原発が爆発した原因

1.当時のソ連は欧米に比べて科学技術力が劣っており、原子力開発において黒鉛型原子炉でやっていた。

2.黒鉛型原子炉にしていたのは「コストが安い」という理由だった。カネをけちっていた。

3.原子炉はウランを核分裂させる(原爆と一緒)の反応を「ゆるく」することで、それでも数千度の高熱が出るが……それを「水で冷却」して「熱湯」をつくり、その高温・高圧の蒸気で発電タービンを回して電気をつくる。

4.この核分裂は200本近い「パイプ」1本ずつにウランを詰め込んで、その束で行う。

5.理論上、原子炉の核分裂反応は長期間続くので24時間365日発電できて夢のエネルギーではある。

6.「核分裂」を「止める」場合「制御棒」という棒を燃料のパイプに入れることによってパイプの中の反応を止める。止めるために使うのは「黒鉛」「ホウ素」である。

7.ところがこの制御棒の設計に致命的なミスがあった。制御棒の先端がホウ素でできているが、これにウランが反応すると「水蒸気」「キセノン」がどんどん出てくる。「キセノン」の増加は原子炉の出力を下げるはたらきがあり、パワーダウンを起こす(キセノンオーバーライド)。さらにホウ素に接すると逆に温度自体は上がってしまうという……デメリットがある。

8.通常は制御棒の数で「出力」を制御しているが、チェルノブイリでは「どこまで抜いてもだいじょうぶか」という「限界テスト」をしていた。

9.このテストはマニュアル化されていたが、そのマニュアル自体が「いい加減な書き方」になっていて、テストを受け持った操作員は夜勤でスキルも低かった。

10.操作員は制御棒を入れて原子炉の出力を下げていったが、内部では「水蒸気」「キセノン」が勝手に増えており、思うように下がらない。どんどん制御棒を入れたら内部のキセノンが増大し逆に出力が想定外に下がりすぎ、突然原子炉は停止状態までダウンした。一度停止した原子炉を元通り再起動するにはその日ではダメで、数日かけてゆっくり出力を上げないといけないが……命令した副所長は「テスト無事終了の手柄」を得たく「今すぐ出力をあげろ」と操作員に命令する。

「ダメです」「マニュアル違反です」という操作員や技師を恫喝して、上げさせた。

11.原子炉には安全装置として、いく重にもチェック機構があり操作ミスを防ぐため、コンピューターで判断・警告も出るようになっていた。急激な出力上昇が「危険」だとコンピューターも指示し警報も出たが副所長は「警報切っておけ」と命じ、安全装置はオフにされた。

12.急に出力を上げようとしたが逆に上がらず200で止まる。業を煮やした副所長はポンプをつないで原子炉の冷却水を流し出せと指示。出力が上がらないのにポンプで水を抜くのはダメだと技師らは反対するが押し切られる。

13.ポンプで水が抜かれて、原子炉は「冷やすものがない空焚き」状態になった。

14.結果として原子炉は制御棒を抜かれて急に反応・発熱をはじめたが、内部にたまっていたキセノンは消滅し原子炉は急に高温状態が始まり、残った冷却水も水蒸気となって急激に蒸発し「空だき」状態になった。

15.急激な核分裂反応が起きると「原爆」と同じになるので、原発には「緊急停止装置=スクラム」のボタンが必ずあるが、これを押しても間に合わず、チェルノブイリ原発の炉心棒は原発設計限界出力3200の10倍以上の3万3000のエネルギー放出を始め「おさえていた350キログラムの重さのふた」すら吹き飛ばして「核爆発」を起こした。

16.これによって原発の建屋の上部コンクリート天井・壁は完全に吹き飛び、中の原子炉格納容器・冷却装置もすべてが「破壊・消滅」した。

17.ウランを包んでいた黒鉛容器は吹き飛び、建屋の屋根に大量にガレキとなってのっかった。このガレキはガンマ線を出し、近づいたら即死するレベルだった。

18.爆発したあとの格納容器の燃料は「火柱」を上げ、外気の空気に反応させ「光」が原発の上にビーム上に上がり続けた。

19.ウランの核分裂を止める冷却水はなく、ウランは格納容器や土台のコンクリートを数千度の高温で溶かしながら溶岩の塊のように「デプリ」となってたまり、さらに強力な放射線を「数万年」出し続けることになった。

20.ウランの核分裂と燃え盛る炎を消そうと、消防隊が送られ放水で消そうとしたが、水蒸気になるだけで根本のウランの核分裂は誰も止められなかった。

21.原子炉は厚さ50㎝以上の鉛、1m近いコンクリートの壁によって「密閉」」されておりそれで放射線を閉じ込めているが、それがなくなったので、原子炉からは「あらゆる物質を貫通する、中性子線」が出まくり、ガンマ線も出ているため、近づくだけで

 「即死」する状態となった。

22.がれき撤去にロボットを投入するが、電子回路はこのガンマ線などで回路が即座に壊れてしまい動作できなくなった。また取り残された現場のガレキ、機械、金属片、死亡した人間など……あらゆる「物質」が「放射能汚染」され「ゴミやガレキ自体が致死性の放射線を出す」「汚染物質」に変化した。なので、片付けや撤去作業自体も……被曝することになり、作業に従事するのは結局ロボットでなく人間となって多数の人間が「90秒」などの短時間で作業した。

23.原子炉の屋根に乗ったままの黒鉛のガレキをどけるために多数の兵士が動員され1人90秒以内でがれきを手やスコップで持ってぽっかり空いた原子炉のある部分に「投げ捨て」てどけた。それ自体を外部に運んで捨てることすらできない放射性物質となっており原子炉と一緒に埋めて「石棺」で覆うことになった。