武田学校

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武田式アクアポニクスバケツ運用「日々の管理」水槽部分

1.水温管理

目安として「外気に連動して1度ぐらい下がる程度」

なので、車内が32℃なら水温もそれぐらい上がってくる。

魚やエビの限界温度は経験上「32℃」

でも、これも「ずっとはムリ」である。いいとこ29℃以下に調整しておく。

なお、10℃を下回ると魚は冬眠状態で動かなくなり、エサを食べない。冬の時期(11月後半から2月ぐらいまで)はエサをあげてもバクテリアも分解が遅いのでエサをあげないほうがいい。バクテリアによる排水処理を期待するなら冬期はUSBヒーターで水槽の水を温める工夫が必要になるだろう。

 

今回バケツ運用を始めて外に置きっぱなしで15℃程度の気温で水温も低かったが、晴天時に一気に29.5℃まで上がる日があった。そうしたら結果として金魚が「尾腐れ病」に2日もせず発症して死んでしまった。

 

尾腐れ病は原因として「魚の免疫低下」「激しい温度差」などで生じるので、それが水槽内で起きてしまった。

 

原因を考察したが

1.14℃もの温度差が生じ水槽内のバクテリアが排水の不栄養分を消化して繁殖が活発化した。

2.水温が低い時に、金魚2匹、メダカ4匹、エビ2匹、貝を数個入れていたので19リットルの水量で生存要件の8匹を超えていた。

 

今回、金魚2匹が死に、メダカも1匹死んでしまった。だが残りのメダカ3匹とエビや貝は生きていた。メダカと金魚の大きさも生存に関係しており、大きい魚は大量のエサと酸素を消費するので小さいメダカより死にやすい

 

バクテリアは魚と違って見えないが「多量になれば」「多量に酸素を消費」してしまう。

今回ギャレーとアクアポニクスバケツは「生活排水処理」がメインにあるので、水質の富栄養化はハンパないことも予想される。

 

なので「水槽は日陰におく」「車内の日陰側に置く」などの運用でしのぐことはできる。水温計で水温を時々把握しておくことは必要である。

ただ、真っ暗だと「日光がないことによるビタミンD不足」で魚の免疫が下がるので「適度な日照」も必要

 

2.水質管理

見た目で「水がつやつや透明」なら「バクテリアや生物浄化がうまく回っている」ことになる。この状態の水はろ過して透明化し、煮沸あるいはオゾン殺菌処理をすると飲料することがほぼ可能と結論している。科学的に可能か検証した動画がこれである。大事な実験をしているので見ておいてほしい。

youtu.be

 

■水が白や茶色で濁っている時

原因はUSBポンプが止まっていたり、目詰まりして水量が出ていないときに起きやすい。もし、水が白や茶色で濁って見えない感じなら「水を入れ替えて」しまうのも手だが、今回は閉鎖系で排水を循環して再利用するので「酸素不足」を解消するにはポンプの水循環を勢いつけて水に室内や外気の酸素が溶け込むようにすれば解消が期待できる。

無理なら水替えである。

 

3.水草・藻・コケの管理

水草、藻、コケ……いずれも植物が水中の汚水をバクテリアが分解吸収してリンなどの栄養素にして成長するので放置でいいが、どんどん増えて水槽がいっぱいになる。そうしたら切って取り出して魚が泳ぎやすいようにすればいい。

 

アナカリスは、生えているものをハサミで数センチ程度切断し、茎と葉だけ浮かせていても再生して増える。便利。漂った状態から自動的に根を出し底の砂や砂利に食い込んで根を張る。入れっぱなしで楽な水草である。

 

さらに水草は「魚が食べたり、切れて減ると、再度繁殖するがその際に水中の不栄養分を吸収して育つ」ため、実は「増えたら減らして」を繰り返す方が水の浄化に貢献する

 

これは「コケ」も同様で、水槽にへばりついたコケも、貝が食べて「減らす」「また増える」時に水中の不栄養分を吸収処理してくれるわけで

「増えては減る」循環が必要だということである。

なので、成長した草やコケを放置するよりは、サイクル的に刈り取り、また増やす方が……いい。

 

4.エサ

基本「タンパク質」を食べると思えばいい。あと「口のサイズに合う大きさ」にすればいい。

つまり

「動物性たんぱく質」……昆虫や肉の破片

「植物性たんぱく質」……小麦粉や米などの穀物など

 

メダカも姉金程度も口が小さいので「ゴマすり器」みたいなものでかけらを砕いて与えるといい。

ギャレーを上に設置して洗い物をした場合、ほとんどの「調理で生じた残さい」は水槽に流し込んでも処理可能である。ただ「量」が大事で、多すぎたら魚たちの処理能力を超えてしまうので、「適度」に投入する配慮が必要だ。

 

■虫はどういうものを食べるか?

・幼虫やボウフラ

・アリやコバエなどの小さな虫

コイだと大きな虫は全部食べる。なので、池に大きなコイを買うと「害虫何でも食べてくれる」すごいバイオ掃除になる。特にコイがゴキブリを食べることは有名で、中国では大規模なコイ科の池をつくりそこに「ゴキブリを大量飼育」して生ごみを食べさせ、逃げたゴキブリは池のコイが食べるシステムをつくっている。

 

■投入して大丈夫だったもの

(洗剤使わない洗い物)

1.食洗器で調理器具や食器を洗剤なしで洗浄した排水

2.洗濯機で水やお湯だけで洗浄した洗濯排水

3.パンくず、ご飯つぶ、野菜くずの破片

4.ジェットウォッシャーで洗浄した歯磨きの汚水

5.少量のコーヒーの排水

6.植物油の混じった排水

 

■水槽に投入したらまずいもの

・歯磨き粉(実験していないのでなんともいえない)

・殺虫剤

・シャンプーやせっけん(実験したらだいじょうぶかもしれないが、現時点ではNG)

・塩素系漂白剤

・泡が出る洗剤

・濃い塩水(薄い物はだいじょうぶ)

・エンジンオイルなど機械油

・塩酸や強アルカリ物質や液体

・熱湯(冷まして入れる)

・コーヒー(少ないならいいがカフェインがもろあるので)

 

目安としては「それ、自分が飲んでもだいじょうぶか?」で考えるとよい。

魚が生きられる環境は人間も生きられる。

そうすれば、何を投入したらいいか?悪いか?その場でわかるだろう。

 

5.メダカやエビを繁殖させて増やしたい場合

5月~7月ぐらいまでメダカは活発に卵を産んで稚魚がふ化する。だが、水槽レベルだと狭いため、稚魚はほとんど成魚などに食べられると思う。

その場合は、卵をうませる浮き「台所の粗めのスポンジを切ってフロート足にして浮かせる」ものや水草に透明で小さな粒の卵をからみつくようにし、卵を発見したら隔離して水だけの水槽に入れておけばふ化すると思う。

 

もし、メダカを増やしたければ水槽よりは「広い池」をつくってそこに入れておいた方がいい。メダカの卵が付着するのはアナカリスのような藻でもいいが、実は卵は底に落ちても食べられなければふ化する。なので、大事なのは「圧倒的な広さ」で成魚が稚魚を食べづらい「距離」を作りだせば放置で勝手に増える。

エビも同様なので、狭い水槽だと、かわいいチビエビが生まれてもなかなか大きくなる前まで生き延びるかは怪しい。

池の広さは私が運用しているプール池(120㎝四方)ぐらいあるといいかもしれない。

 

貝は透明なゼリー状の卵のコロニーをいたるところにつけてどんどん増えるので放置で十分。

 

6.水替えは必要か

基本的に生物浄化が問題なければ水替えは必要なく、足し水で半永久的に運用できる。

つまり、蛇口からろ過した水を生活用水として再利用して、再度水を上から投入していれば蒸発や損失分以外の水は排水を原水として無限に得られることになる。

 

7.USBポンプはソーラーバッテリーシステムで自家発電だけでずっと回しっぱなしができるか?

USBポンプは5Vで3Wの電力消費なので流れる電流は0.6A程度である。テストの結果ソーラーバッテリーシステムで80Wのパネルと40B19(29Ah)の自動車バッテリーの最低限のセットで無停電24時間365日稼働が可能であった。

なので、キャンプ・車中泊生活でも負担を感じず使用することができる。

80Wのソーラーパネルは1日80Whの発電を期待でき、いっぽうでUSBポンプは24時間で72Whなので発電量が常時上回るので連続使用が可能である。

 

8.生物浄化の速度

実験では、濁った洗濯廃液を投入して6時間ぐらいで「透明」になった。これは次の現象が起きたことが考えられる。

(1)水中の汚染物質が「汚れた色」を出しているが、沈殿した。

(2)水中のたんぱく質など有機物汚れの物質が水中のバクテリアに捕食された。

実験動画はこれである。

www.youtube.com

なお、水中のバクテリアが食べるスピードは「入れたら瞬間的に早い」ので、実は緩速ろ過といっても関係なく、水中のバクテリア濃度と酸素濃度で処理性能は決まると思う。