サバイバル先端研究所では、きたる東南海トラフ大地震に備えて数々のサバイバル要素技術の研究開発を行っている。
今回、サバイバル車中泊のための災害機動指令車ミーブ2号に新開発のハイパワーバッテリーバンクシステム(SBBS2)を搭載することによって、ミーブ屋根およびサテライトで常設してある計680Wのソーラーパネルで発電した電気を蓄電し、電気自動車のミーブ2号自らに充電を行う実験が成功した。
ミーブ2号では、従来キャンパー愛用のAC DELCOのM27MFによるバッテリーバンク(SBBS1)で運用をしていたが、M27MFは16V近い高い電圧での充電が必要とされ安価なPWMチャージコントローラーでの充電では満足な性能が発揮できなかった。
そのため、通常の鉛バッテリー構成でのシステムに新たに設計変更し、125D31によるバッテリーバンクシステム構築の研究開発を行った。今回、開発されたバッテリーバンクは容量が5184Whで、世間のポータブルバッテリーのEF DELTA1000の2.4倍もの実使用容量を達成。数々の耐久試験をクリアしミーブ2号に搭載した。
これに、AC100Vで8Aと低電流で充電できる充電ケーブルを使用することで実験では50分間の連続充電、約500Wh分のミーブへの充電を実現した。
これによって、サバイバルでは必須の「自己完結性」を実現し、ミーブ単体で野外で自給自足で走行を継続できるようになり生存性を高めることに成功した。
また、新開発のバッテリーバンクシステムはコストもEF DELTAの4分の1と大変安くシステムの冗長性・二重化も実現し、よりサバイバビリティの高い高性能なシステムとなった。