武田学校

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武田式アクアポニクスバケツ基本「作り方」

車内や孤立した施設で生活排水を驚くほど低エネルギーで自前で浄化・再利用できる武田式アクアポニクスバケツの作り方を書いておく。自己責任で。

なお、アクアポニクス栽培ユニットについては別に解説する。これは最低限あったほうがいい構成の基本部分。

 

1.容器

水槽になる部分。水が取り出しやすい蛇口などがついたバケツやジャグがいいだろう。

DIYできる人は水槽に穴を開けてコーキングして蛇口を取り付けるのもありだ。

私が検討してベストにしているのは以下。19L入る。重さで19キロということになる。

やたら大きい容器にすると持てないほど重たくなるので注意。家で固定して運用する人はデカ水槽でもあり。

少しブルーがかってるけど水を入れたら中まで透き通って見えるので魚や貝の鑑賞は十分できる。上のふたのパッキンで水もれも止めるので車載用にいい。

 

2.フィルター素材

実験動画やアクアリウムだと「グラスウール」使っているが、私の研究結果では以下がベストで十分なので以下でやるといい。

 

「底面フィルター」としてバケツの底にフィルター代わりに敷き詰める。この素材、目の粗さは重要である。さまざまな素材を検証した結果、ダイソーで買えるマイクロファイバーがろ過スピードやろ過性能的に良かった。しかも安い

20㎝~30㎝四方の「マイクロファイバー」の「ふきん」「ぞうきん」「タオル」などを「4枚重ね」するといい。1枚だと水槽に漂う不純物が少し出てくる。2~4枚重ねの層にするとほぼ出てこない。自分でいろいろ試してみるといい。私はとりあえず4枚にしている。

底面の蛇口部分が完全に覆って、水槽内のゴミなどが入らないようにすること。いったん濡らして敷き詰めるとやりやすい。

「ぞうきん」よりは「ふきん」「タオル」で「中に縫い目やモザイクがない」ほうがいい。その部分が粗くなるのでフィルターとして弱くなるからだ。

 

3.USBポンプ(エアレーション)

水槽内に「水流」を作ることが大事。ポンプでかき回さないと水が腐る。

アマゾンで買えるUSBポンプが一番安くて効率がいい。省電力。USBで3W程度。ソーラーバッテリーとの相性もいい。(ソーラーチャージコントローラーにUSBがついている機種を選ぶとそこから電源がとれて便利)

家庭でUSBポンプ使う場合は、ダイソーなどで買える「USB充電コンセント」などを利用すると便利。LED照明を使うなら2つUSBコンセント持つとあとあといいだろう。

ポンプからホースがいるけど、これがいい。USBポンプには内径8㎜のゴムホースがはまる。なお、ダイソーで買える「タピオカ用ストロー」でもつなげられるので噴水のように噴き出す程度に使うならそれでもいける。要は8㎜の内側口径のパイプやホースをなんか選べばいい

■USBポンプの設置のしかたの注意

「水中にそのまま置くと」「藻が吸い込まれ目詰まり故障」する。

USBポンプは簡単にばらせるので中につまった藻をとればいいが、それを繰り返していると本当に壊れてしまう。(1年ずっと24時間使い続けて2年目で壊れることも多い)

なのでUSBポンプは予備も持っておくといい。

USBポンプを「ナイロンネット」「網目のケース」で覆って、水中の藻などのゴミが吸い込まれない工夫が必要である。自分はこうしている。

USBポンプをゴミ吸い込みから守る方法(例)

プラスチックのカップなどを流用して「カバー」をつくり、下側を砂に埋める。すると底面フィルターでこされたゴミがない水だけをUSBポンプが吸い取れる。もちろん、USBポンプ自体を「かご」で覆うのもありだ。

 

4.砂利や砂

マイクロファイバーだけでは水を入れると浮き上がるので「重し」が必要。景観も兼ねて砂や砂利をお好みの色で入れて水槽らしくするといい。うちは川にあるような砂・砂利を使っている。重しになる程度の厚さ1~2㎝程度敷いている。藻なども根を張るため砂や砂利はあるといい。

 

5.魚・水生物

メダカが最強。可能ならコイ。コストが安いのはフナの形をした姉金みたいな金魚。あと貝。余興でエビを飼うのもいい。水槽を見ているだけで心が和むだろう。魚などはペットショップや自然の川や池が近くになくても通販で買える便利な時代。

 

メダカ……水道水でOK。環境変化にも強くタフで、ボウフラを全滅させる。コバエ程度は入れると食べてくれる。

コイ……水道水でOK。環境変化にも強くタフで、大きなコイは「ゴキブリ」を食べてしまう。30㎝の巨大なのは入らないから10㎝の小さい方がいいだろう。

 

金魚……姉金などの動きが早いタイプがいい。観賞用の金魚でもいいが、バイオ処理的に優秀かは?値段も考えると疑問だ。金魚も1年ぐらいでコイみたいに巨大化する。

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……アクアリウムでは敬遠される「アラマキガイ」スネールで十分。高価なタニシはお好みでいいが、アラマキガイ、カワニナなどは「強食」なので野菜くずや、紙すらバリバリ食べて分解してくれる水槽の掃除人として重宝。ただ魚と同じく酸素を消費するので大量に入れたらいいわけでもない。川や池があればいるかもしれないが、都会の人は通販でも買えちゃうよ。

 

エビ……死にやすいが、かわいいので予算や好きな人は飼うといい。エビは何でも食べるので貝と同じく掃除人。

ミナミヌマエビは、水槽のコケ、藻を食べるので水槽表面がきれいになる。数匹でいい

多いと酸欠になる。エビも立派に酸素を消費するからだ。動きもファンタスティックで見ているだけでかわいいエビだ。

スジエビは狂暴肉食で、床をはう。エビエビしているが、メダカの子や貝を食べているという可能性もあるので、あんま飼わないほうがいいかも。

ヤマトヌマエビは高価だけどいいかもね。でもミナミヌマエビで十分だよ。

 

6.藻

汚染浄化に役立つのは「アナカリス」が最強。生殖力が強く自然界では厄介者だが、バイオメデレーション的には安くて強くて処理能力が高いので重宝。池や川に大量に繁殖しているし、ペットショップや通販でも買える。ただ、ペットショップのものは「農薬」が使われているので水槽が死ぬ可能性が高く、なるべく自然界のものを得たほうがいい。

数値的に浄化能力が高いのはマツモで、値段が高いがこれもいい。

あと、浮草も面白い。これは毎日のようにどんどん増える。水中の栄養分を吸収して光合成する。増えたら回収して、乾かして粉にすると魚のえさにもなるし、これ自体も実はビタミン・葉緑素が豊富な健康食品だったりする。

最悪の場合、浮草を食べるということも……ありだ。種類によって食べられないものもあるかもしれないので銘柄で調べてからにしてください。

■バケツでの飼育数の目安

メダカ、金魚1匹で2リットルといわれるので、19リットル満水で8匹は飼える。貝やエビもその数に入れたほうがいいので「家族構成」はそれを目安に決めるといい。

 

7.水

メダカやコイはタフなので、水道水でも実はだいじょうぶ。水替えや追加も水道水が入ってもあんまり問題ない。ただ貝やエビはやられるかもしれないので注意

でも、心配ならバケツに水道水を入れて「1日」ぐらいベランダや日光が当たる所に置いておくだけでカルキがとぶ。急ぎたければ市販のカルキ抜きを使えばいい。ダイソーにも安くある。

ベストなのは「魚が住んでいる池や川の水」をくんで使うことである。これならすぐ使える。井戸水はそのまま使える。

なお、ギャレーを置いて排水を水槽で処理する場合「洗剤」「薬品」がない洗浄方法でやること。泡が立つ洗剤や漂白剤は厳禁。

 

8.水温計

あると便利。水質管理の目安になる。デジタルも便利

これはデジタル表示でセンサーを水中に入れられ、冷蔵庫や冷凍庫、水槽でも外気でもどこでも使えて便利。私も大量に買って愛用している。

 

9.えさ

食事の食べかす、パンくずなど、人間が食べるものは基本なんでも食べる。害虫の死がい、幼虫とか、コバエの死がい(生きたのも)食べる。ボウフラも大好きで食べる。

「みみあか」「ふけ」「鼻くそ」なども食べる。※ほると人間の医学的にはよくないのでほどほどに。

野菜くずは貝が食べる。キャベツなど破片を入れると貝がとりついてむしゃむしゃ食べている。

「タンパク質」を食べるので、それを目安にするといい。

チリ紙などは貝が大好物。少し入れると貝が取り付いて分解していくのがわかる。

「こまかく砕いて」上げたほうが食べやすいので「ごますり」で私は細かくして与えている。ダイソーにある。

なので、無理して魚のえさをわざわざ買う必要はない。ただ入れすぎたら分解が追い付かず水が腐敗してしまうので、少しずつ与えること(笑)