リュック=ベッソン監督の最初で最後の傑作だと思うのがこの「ニキータ」である。
パリの不良女が強盗事件で逮捕され死刑を免れる代わりに国の女スパイとなって成長してミッションしていく過程をスリリングかつフランスらしい美的感覚とエスプリで描いている。予算がないのにも関わらず、アクションも絵も見事にスリリングで派手であり最後までまったく飽きない。私が好きなのは、ニキータを教育して監視していくスパイの上司ボブ(チェッキー=カリョ)の決まったスーツ姿と、身のこなしがたまらなくいいね。冒頭のフランスの高級レストランでのシーン。そしてベネチアのセレブなホテルでのシーンがとても好きだ。フランスのおしゃれな街、ライフスタイルが見事に描かれながらも、いっぽうでド派手なアクションが展開され、1990年で30年経った今も何度も見てしまう映画だ。これ以後のリュック=ベッソンはTAXI1程度しか面白くなく、あとはいくらやっても駄作だと思う。