武田学校

IQ800の武田校長の頭の中の広大な知的宇宙を一緒に旅するサイト

原丈人は何をしようとしているのか?

こっちのブログは、俺の信者とか、頭のいい人しか読まない感じなので、率直に俺の見解を書いておく。

 

原丈人さんは、俺が元内閣調査室の人から紹介された。

「原さんて、日本人では唯一、イスラエルユダヤ人とさしで話して勝てる人だよ」

なるほど。交渉の時は怖い人らしい。

でも、あなたが稚拙なウィキペディアで調べればわかるけど、原さんは家柄は申し分ないし、慶應スタンフォードの大学院で、60年代安保闘争の時に左翼活動ゲリラに埋没しないでアメリカに留学してきちんと勉強していた。あの当時の世代では「まれなまともな」人の一人である。たいていの人間は東大や早稲田に行こうが、左翼学生運動にさらされていたからね。ちゃんと学部で勉強した人が逆に少ないのだよ。

 

そういう点では貴重なキャリアだね。ベンチャーファンドもやっているがアメリカのITベンチャーの有名どころはかなりやって、実際に実績も出してきたのと、お父さんがコクヨの役員で有名な原信太郎なので、経団連はじめ政財界での人脈や信頼も抜群である。

 

岸田さんが友達になるぐらいだからね。

 

それで、原さんの「公益資本主義」なんだが、これは、実はE.F.シューマッハーの「スモール=イズ=ビューティフル」のなかにあった「スコットバーダー自治体」の考えなんだ。

というのは、私は原さんより前に小島慶三先生の勉強会の「小島塾」でシューマッハーの唱える「資本主義社会の病理を直す」作業の勉強をしていた。

 

スコットバーダー自治体は、企業の株を従業員ももち、利益の10%は社会事業に寄付して地域や市民生活に還元するという考え方だ。

 

公益資本主義でも、企業を欧米の「株主優先であとは犠牲」でなく、従来の日本企業・近江商人の精神「三方よし」に戻そうというわけである。

 

つまり、「株主」「経営」「従業員(労働者)」「企業をとりまく地域住民」……みなが利益を分け合って潤うことで「従業員や地域住民の生活の幸せが生まれ」「ひいては企業自体も成功していける」「結果として株主や経営もちゃんと儲かるでしょ?」という「ウィン・ウィン・ウィン・ウィン」を目指そうというわけ。

 

わかった?今の現代社会の経済で生きる人には、合理性もあって、まっとうな話だと思うよ。

 

原さんが当時、東京財団の籍を得たのでアメリカのハーバード大の院生のデヴィッド=ブルナーを招聘して公益資本主義の講演会をしたのだが、彼はシューマッハーの紹介をしていたので講演後に彼にたずねると「シューマッハーは英国石炭公社の総裁で欧米では有名な人物だったので知ってます」と言ってた。

 

さて、今の腐った経済社会を直すには共産主義社会主義があるじゃないか?

と左翼の人から言われると思う。もちろん、社会思想としての共産主義社会主義を自由に論じることはいいと思うけど。

でも、実際問題として多くの人、宗教がとりまく世界において通用しない。

それに、中国や旧ソ連を見ればわかるが、とても人間解放、自由や平等な社会でもなかった。独裁政治のとんでもない世界になってしまった。

失敗である。

 

では、この腐った資本主義経済社会はダメなのか?そう「ポストモダン」という言い方になるのかな。

私も気づいているのだが、資本主義社会であっても「運用者がまとも」なら、それなりに問題なく機能する。

要は、いくら社会システムを理想的に構築しても、運用する人間がタコなら、ダメにしかならない。

 

なので、原さんは現実的な資本主義社会・投資の世界にいるわけだから、全否定するのでなく、その中での改良を目指すのね。

 

これは、これで、いいと思う。やれるなら。

 

さらに、理想論では誰も聞かないから、具体的に現実的な世界に直して説明していかないといけない。

 

なので、原さんの説明は、なるべく、宗教や右翼や左翼を刺激せず「みなさんにいいようにならないかな?」っていう、前向き、ポジティブなやり方をする。

だから、今回もむやみに資本家の否定や富裕層の全否定はしないでいる。

やたらそこまでやっちゃうと、つぶされるからね。

 

でも、根底には、欧米の世界資本による富の独占への反発があるし

原さん自身、アフリカやアジアで貧民救済のNGOプロジェクトもしてきた。

その経験、第三世界の貧しさの改善……

今までのビジネス畑から原さんの人生は老齢を迎えて「社会をよくしたい」という

気持ちがだいぶ強くなったと思う。

善良だと思うよ。

 

原さんはアメリカの政財界にも強力なパイプがある。

もともとマイクロソフトのビル=ゲイツや、インテルのグローブ会長が原さんの携帯に直電してくるのだし。

アメリカ共和党のボードメンバーにもなっている。

なので、実務家、明るいまともな行動者としては、ぜんぜん一般的におせる人だよ。

 

でも、彼だって安倍政権の時、いじめられたよ。

安倍たちって、原さんたちを嫌がっていたからね。それでもなんとかやってきた。

安倍政権が京大iPSの山中教授らを予算打ち切って冷遇しだしたら

三井住友銀行に頼んで融資させたり、山中プロジェクトの支援をけっこうしていたよ。

 

原さんが安倍らにつぶされなかったのは、家柄がいいし政財界でのポジションが重いので安倍ら低能連中では、やたら、いじめて攻撃するとくらうんで。そのパワーバランスがあったからだね。

 

これが、今回、宏池会の岸田政権になってようやく原さんたちの主張が光を浴びてきた。そんなところかな。

 

まともで、世直しの正しい活動ってほんと時間がかかるし、妨害もすごいよ。

でも、原さんも安倍政権下で嫌がらせをかわしながら着実に仕事してきたんだね。

ま、安倍より原さんのほうがレベル高いんで。

 

まあ、俺が思う世界の理想のレベルからすれば公益資本主義も高いわけでもないけど、原さんのやることは、その辺の人たちにとっては、十分いい内容になると思う。

 

なので、そういうことなんだって理解してもらえると私もうれしい。

安倍側のつぶし、妨害が起きるかもしれないけど、まずは期待したい。