武田学校

IQ800の武田校長の頭の中の広大な知的宇宙を一緒に旅するサイト

人生のトラップ「9【いつもていねいな言葉づかい】」

占いの世界では有名な大先生とお会いした時「武田さんって、すごい人になのに、年下や立場が下の人にも腰が低い話し方をされますね。」と褒められました。

たまに、人に言われると「そうなのかなあ」と思います。

先日も、愛媛の地元の人に「武田さんはどこの方ですか?話し方がていねいですよね。こっちの人はそんな話し方しないから。」と言われました。

 

なぜそうなったのか?そうしているのか?書いておきます。

まあ、簡単に言っておくと「その方があらゆる場面で楽なんです」

 

20代で会社をつくって役員になっていたころ。もちろん、私は高専を中退したので「友達はこれから一流大学を出てやっとサラリーマンになるが、自分は中卒だと思ってやり直そう……」と決めました。

同期が大学生で学生の間、私は同じ時間を社会人として先にいろいろ経験して上になってやる!「なんでも経験して、覚えてやるぞ!」って気持ちで毎日を過ごしていました。

 

とはいっても会社を始めても親のコネも何も使いませんでしたのでイチからです。人脈もまるでない。そういうゼロからのスタートでした。

それに、高専は中退したものの、教授のすすめで放送大学に入ったので「大学生もしながら、仕事する」毎日でした。

 

勤労学生で働こうと応募したのが角川書店と日本システム開発研究所(通称シス研)というシンクタンクでした。リクルートのバイト情報誌からフツーに応募しただけです。

両方応募してみたのですけど、角川書店が応募40名中1番の評価でうかり、日本システム開発研究所も受かってしまいました。

「どっち行こうかな?」と思ったのですがシス研は元大蔵事務次官で政界でも大物だった相澤英之氏がやっていたところなので、角川書店は1日出たらやめて、シス研に行こうと思いました。

でも、角川書店ってすごい「体育会系」で1日目の朝礼に出て「今日から内海さんが入りました。みんなよろしくお願いします」って社員がずらっと並んだところで紹介され「怒涛の拍手」されてしまい「え、これじゃやめられないよ」って思って、両方行くことにしました。

つまり、日中は本郷の角川書店本社営業部。定時退社でよかったので夕方から夜は神谷町のシス研で官庁向けの調査報告書の制作をするというダブルワークをしていました。

 

若かったので何時間働いても、楽しいんですよ。給料も2倍になるし。

 

そのシス研の研究室にいるときだったんですが、室長と一緒にいてスタッフや私らと話していると、室長は

「あのなあ、へえ、そうかい」

……って乱暴なオッちゃんのオジサンの話し方で話しているんです。

ところが、研究室に電話がかかってきて、室長が電話をとったとたん、

「はい、日本システム開発研究所です。」

「はいっ……はい。……はい。」

……声も押し殺して、ものすごい「いんぎん無礼」「ていねいで敬語ばかりの」話し方になるのです。

「な、なに、この変わり方?」

私は不思議に思っていました。

その意味は、私がその電話を取ったときにわかりました。室長がいなかったので

私が室長のまねをして、電話を受けました。

「はい。日本システム開発研究所です。」

「●●君(室長)います?」

「(名乗りもしないで、だ、誰だよ)。はっ、えーと、ただいま席を外しております。失礼ですがどちらさまですか?」

「★★です……。そう……わかりました」

電話が切れて、室長に

「★★さんからお電話ありましたよ」

って言いました。

あわてて、室長が電話をかけ直していました。

彼が受話器をおいてから私が

「★★さん、って偉いんですか?」

事務次官

……シス研は、元官僚トップしかも大蔵事務次官の相澤さんのシンクタンクでしたので「大蔵週報」って新聞を発行して霞が関に配っているぐらいだったし、理事らも政財界の一流どころの「トップ」ばかりが並ぶ陣容なので、当然、そういう人からの電話がしょっちょうかかってくるわけです。

いつ、なんどきお偉いさんから直電話あるか、わからない……そういうことです。

「あー、会社の電話って……電話番って、軽く、なめてやるものではないよ。とても、とても大事な仕事で、責任も重たいポジションなんだな」って

身をもって知ったのです。

そして、そのあと、内閣調査室にいたAさんと知り合いになり、彼からもよく電話がありました。Aさんは三笠宮殿下と旧帝国海軍の幹部がやっていたシンクタンクにいて、皇族との面会もよくされている方でした。

でも、Aさんは、20代の若者の私に電話で話すときいつも

「内海さま。~でございますか。」

みたいに常に「ていねい語」なんです。

不思議に思ったのですが、

「あれ?室長と同じだよなあ」

その時、気づいたのです。

常に、どんな相手にも、あんちゃん言葉や、なれなれしい言い方でなくて、礼儀をつくした丁寧語で接するということは、どんなときにも間違いを起こさない、トラブルも防いでよける最善の身の置き方なんだ」

 

そう、思ったのです。

相手が、ホームレスであろうと、バイトだろうが、労働階級の人、目下、部下……関係なく、常に「ていねいな言い方」で接することは、結果として……自分の身を守る、合理的かつ、お金もかからない、災難を事前によけるいい方法なのだと。

それから、私は、室長と内調のAさんの話し方をまねするようになりました。

そういうことなんです。

 

でも、これ、徹底している方いらっしゃいますよね?どなたですか?

天皇陛下御夫妻」「皇族」

です。