武田学校

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映画「海辺の映画館-キネマの玉手箱」を観て

大林宜彦監督は肺がんを宣告され、遺作と思って作ったのが戦争三部作の最後「花筐(はながたみ)」だったそうだが、長生きできたので遺作になったのがこの作品だ。

映画監督らしく、映画を語って最後あの世に行かれた。

この映画は、日本国民に戦国・江戸のころからの「戦争」をコミカルに描き、第二次大戦までの戦争に翻弄される国民生活を描いて戦争の悲惨さ、反戦のメッセージをつたえている。

この映画を2021年、第三次世界大戦んが始まろうとしている今、私が見ていることに運命と言うか、神のしわざを感じる。

大林監督は晩年になるにつれ、現代社会の病、人間の心や魂の劣化を嘆いて、そのゆくえには第二次大戦のような戦争の繰り返しが起きると心配していた。

なので、自身の身を振り絞って戦争三部作をつくりあげ、最後も映画から戦争を伝えた。

それにしても、この映画、戦国時代や江戸の殺陣のシーンも妙にリアルにきちんと描いていて……大林さんホントなんでも撮れる人だったんだと……痛感した。

映画が残る限り、若い人が見て、考えてくれるかもしれないね。

そういう点で、芸術家の仕事は偉大だと思う。自分の作品で何十年、何百年、何千年も……人に影響を与えられるのだから。