アフガンの米軍前線基地の「悲惨さ」「ずさんさ」を描いた戦争アクション映画。なかなかの迫力でまるで自分が一緒に基地にいる感覚になる。
50名ぐらいのアフガニスタンのタリバンとの最前線基地。基地のトップは陸軍大尉。30代。毎日のようにタリバンの襲撃がある。最初は数人程度の攻撃で米軍が冷静に迫撃砲を打ち込めば鎮圧できていた。
ところが、トップの大尉が相次いで事故やトラップで戦死。運気も行く末もやばい雰囲気のなか3人目の大尉は「おしっこは室内でペットボトル」「ウンチも護衛つき」でこもりきりで兵から「臆病」と言われる始末。
それにしても、観ていておもろかったのは「米軍の前線基地は想像以上に設備が快適」なことだね。DIYの木でテーブルやブースがつくられ、エアコンやIT機器も完備。食堂もあってちゃんと食事もできるし。
象徴的なのは、基地トップの大尉らが地元のアフガニスタン人の「交流」「親和」をせよという米軍の方針で村の長老らと話すシーンだね。
これって、かつてアメリカがインディアン、ハワイアン……あらゆる植民地化してきた地区での先住民との「対応の仕方」そのものだと感じた。
「武装解除してほしい」「しなければ爆撃する」
このおどしで、だいたい地元民は銃を差し出して「服従」その代わり「経済繁栄」を得るという……パターン。
なんか、日本もやられたわな。
30代の大尉が、村の80代の長老らを上から目線で説き伏せるのは……見てて「なんかやだなー」と思った。
でも、これが米軍が世界で、していることだ。
さて、米軍側の軽くみていた現地情勢は「最悪」を迎える。通訳で雇っていたアフガン人が「タリバンが村に数百名到着した」「村人らが逃げた」と告げる。だが大尉らは軽んじている。「いつものデマだろ」
でも、タリバンらは400名の軍勢で基地を襲う。機関銃の雨、RPGが次々うちこまれ米軍側は戦死者続出。といっても……7名だけど。20名以上は負傷。
そのなか、タリバンらはついに基地に入り込んでくる。機関銃で応戦する米軍。なぎ倒されていくタリバン。
そして、数時間後、支援の空爆、ヘリの掃討でタリバンはほぼ壊滅。
え?これって、米軍側の被害が大きそうに見えて、結果は400名近いタリバンが死んだわけで……
なんか……毎度なんだけど、イラクでもそうだが、米軍負けているようで「トータルでは勝ってるよな」「戦死者は相手が多いよな」パターン。
でも、この基地はその後撤退。最後は米軍によって爆破されて「更地」にされる。
なかなかすさまじいね。解体工事しないで「爆撃」
まあ、この映画の影響かわからないけど、バイデン政権のアフガン撤退が実施されたね。
お互いがやりあう戦闘シーンは意外と少ないけど、なんか迫力あるよね。
この感じで米軍の苦戦を描く映画としては「ブラックホークダウン」がすごかったけど。ま、アクション的にはあっちのほうがすごかったかな。