ほんと、小松左京。すごいわ。これ1973年。自分が生まれて2歳の時の映画。だから見ていなかった。最近見て度肝を抜かれた。
今から28年前、VFXもCGもない時代に、円谷プロダクションの「ウルトラマン」の技術でよくもまあ、これだけのリアルな都市崩壊映像を作り上げたものだ。主人公の藤岡弘が今と違って、まだ仮面ライダーの若くていい男で、最近のなよっとしたイケメン俳優と全然違ったワイルドさ男らしさが光っている。ただ富豪の彼女とのなれそめはかなり展開に無理があると思う。大陸プレート、大地震のメカニズムなど当時の東大地球物理学の大家で科学雑誌「Newton」の編集長でもあった竹内均が監修・出演までしており、今見ても「南海トラフで日本沈没」と信じてもいいぐらいの出来上がりである。期待しないで見たら度肝を抜かれていいと思う。つくづく映画って、VFXとCG全盛の今のハリウッドが迫力だけで感動もない大味なのばかりなので、古くても昔のほうが一生懸命映画やっていたな……と思う。