DIYやロハス生活をしない都会暮らしの人でも絶対必要な要素は「食料」「水」である。
毎日の被災生活をイメージしてほしい。
■1.安全な飲料水がいる
朝起きる。朝食をつくる。ウイルスや化学物質に汚染されていない「信用できる」「飲料水」が絶対いる。
顔を洗う人、歯を磨く人、髭剃りをする人もいるかもしれない。やはり口に入れても安全で衛生的な飲料水が必要となる。
飲み物、レトルト食品、インスタント食品の人は絶対いることになる。
昼食もそうなる。夕食もそうなる。
行政が機能して給水車にあなたがたどりつけるならもらえる。だが、10リットルもらおうと……人口が少なく気づく人が少なければ可能かもしれない。だが、大都市ではすぐ枯渇するだろう。結果として「おひとり様2リットルまで」と言われる。
それで、あなたの朝食、昼食、夕食、洗顔、歯磨きなどでどれだけの水がいるか?カウントしたか?
してみよう。
朝食はコーヒーを飲みたい。300mlのマグカップだと300ml。
あとはパンとかおにぎり?が配給であったからいい……甘い考えだが。
昼食はインスタントラーメンにすればいい。水は?400mlはいる。
夕食はレトルトのカレーとパックご飯。温めるのにお湯として400mlはいるだろう。
でも、各食事でコーヒー以外の「味噌汁」「スープ」を飲みたければ、プラス170~20でmlいるよ。
歯磨きをする。超効率的な歯磨き粉なし節水できるドルツ・ジェットウォッシャーで1回300ml。
この時点で1.4リットルだ。行政がくれた水2リットルでまだ残せた。
けれど、1人分だ。
顔洗ったら?全部使い切りそうだ。
●人は1日2リットルの水を飲む必要が本当はある
あと「節約したからいい」がまたウソがあって、実は、人間1日「水を2リットルは飲んで水分補給していないと脱水症状などで体調悪化」を起こす。
水分摂取の不足はまずい。え?ということはコーヒー300mlを3杯でも「足りない」「不足している」ことになる。本当は行政がお涙でくれる「ペットボトル2リットル1本」を飲み干していないと……いけないのである。
ただ、3食の食事にも水分が入っている。だいたい食べる量の80%は水分だと思ってもいい。200グラムのラーメンとスープ400mlを全部飲み干すなら単純に600グラム(ml)近く水分をとったことになる。だったら3食十分な量を食べているなら1リットルぐらいは食事で水分を得ているはずである。プラスでコーヒー3杯飲む生活なら脱水まではいかない……わけかもしれない。
見えない「リスク」がこうして存在している。だから「2リットル+1.4リットル」ぐらいいることになる。本当は……3.4リットル……
まあ、必要水分リスクを除外し単純に1.4リットルで考えるなら
あなたに同居の家族がいたり、恋人、奥さん、子供たちがいたらどうするのだ?
単純に2倍になる。
2人だと2.8リットル
3人だと4.2リットル
4人だと5.6リットル
1日で最低限、これだけいる。
でも、コーヒーは1日1回だけだ。3回ぐらい飲みたければプラス600mlで2リットルになる。
コーヒー1日3回飲みたい……と思ったら4人だと1日8リットルになる。
確保できた?まだ1日だよ。
行政のいう「ウソ」を信じて3日でも4人家族で24リットルになる。
どういう量か?イメージできる?
業者が定期契約で届けるウォーターサーバーのタンク10リットルで2.5個分。
でも、1週間、1か月、半年、1年になったら……ぞっとするだろう。最小単位の1名で計算してみようか。あとは、あなたの家族分掛け算すれば必要な飲料水の量は出る。
1週間(7日)……14リットル(約14キロ)
1カ月(30日)……60リットル(約60キロ)
半年(6カ月)……360リットル(約360キロ)
1年(12カ月)……720リットル(約720キロ)
すごく重たい在庫をアパートやマンションに確保できるのか?
わかっただろうか?食料も大事だけど、水がなければ人間は3日ほどで死ぬそうだ。
絶対必要な……水分。
災害時、どうやって「永続的に水を確保できるか」はその家庭の絶対的な課題となる。
それで「お金はあるけど、備蓄の手間がイヤ」という人は「ウォーターサーバー」を家に業者でもってきてもらうサービスがいいと思う。あれ、くだらなさそうで、災害時デカいタンクで供給しているので(10リットル)、一人暮らしの人で予備も買っておいて数個家においておけば安全な飲料水を数日~数週間は維持できるわけだ。
●ペットボトルの水の備蓄期間は1年どころでなく5年以上も可能らしい
災害用10年水とかペットボトルの水が売られているが、実はスーパーやドラッグストアで売っているペットボトルの水でも5年だろうが長期備蓄が可能。理由は計量法で徐々に水の量が蒸発して消えるためであり、水としての品質は問題ないそうだ。工場で厳格な殺菌と封入がされているためである。なので、無理して高い長期保存水を買う必要はない。
うちでは、災害時ファーストですぐ飲むためのペットボトル水を500ml単位で保有。そのあとはろ過水など浄水した水を飲むことを考えている。小分けのほうが劣化を防いで使いやすいからである。
■2.トイレや洗濯などの水もいる
次に、災害生活で日々3度の食事だけでなく「トイレ」も絶対必要になる。あなたは1日なんど、小便をし、大便をしているか?
仮に、小便を1日3回、大便を1回としよう。
災害時、自宅にいられたとして、通常の家庭にある「水洗式」のトイレが1回の小便で流す水(小)で3~4リットル程度。大だと6~8リットルらしい。
これを飲料水の備蓄でやるのは、自殺行為である。
1人の大人が1日3回の小便、1回の大便をしたとして流すために必要な水は15リットルになる。
2人で30リットル
3人で45リットル
4人で60リットル
が1日で必要となる。
よく、防災士だろうが、行政がいう「お風呂に水を貯めておきましょう」無責任なアドバイスである。防災士アドバイスはタコばっかり。ないよりましだが、あなたはあの風呂のバスタブがいったい何リットル貯められるのか?測定や、計算したことがあるのか?
標準的なバスタブで100リットルがいいところだ。つまり、家のバスタブを満水にして備えても、4人家族だとトイレ用には1.5日で枯渇する。
最悪だと小便時は流さず節約することになるだろう。トイレは汚れる。そういう運用も女の人がいたら無理だと思う。
男性諸君は、自分たちの彼女や妻、娘を守れるのか?思慮が足りなかったことに気づくはずだ。トイレがちゃんとできないだけで「大ゲンカ」「糞詰まりで腹痛病院行き(病院にすらいけないで自滅するが)」「殺人事件」まで起こると……思う。
そういう……成れの果てを……イメージしたか?あなたは?
してないよね。
わかった?あなた方の考えの甘さを。
だから、私は安くて誰でもできる方法として「子供用のビニールプール」で水を貯めておくといい。と言ってきた。
このプールで300~400リットル貯められる。小さい1.2m直径ので300リットルは貯められる。コストも2000円しないだろう。つまり風呂桶より効率的に大量の水を貯められる。もちろん、水を貯めたままだと「ぬめり」「ボウフラ」が野外では出る。
だから、メダカを入れて飼うようにすればボウフラは出なくなる。
ふだんは、アクアリウム。災害時は生活用水として利用できる体制を構築しておく。
使う際は、タオルやスポンジなどで「フィルター」して水に色はつくけどゴミがない状態でトイレにバケツでくんだり、ポンプで流すようにすればいい。
うちではこのようなビニールプール池で雨水を貯水している。
■シャワーで体洗いたい?
それで、長期のサバイバル生活では「どうやって入浴、洗髪するか?」が課題となる。行政や民間の施設が開放され利用できるなら、自衛隊お風呂も期待できるのだろうが……大都市。東京で1000万人、23区で可能か?かなり怪しい。
「お湯をわかして、タオルで体を拭く」が精いっぱいだろう。
そのお湯?水?あるのか?飲み水を使うのか?
すぐ……限界がわかる。
生活用水に貯めた水をフィルターで超して、沸かせば、とりあえずは細菌・ウイルスレベルはクリアできる。さて、それをシャワーで洗う程度で何リットル使う?
私は実際に計った。バスタブでシャワーで通常の洗髪(シャンプー)、せっけんで体を洗って流し終えた水を貯めて計測した。私は男性で短髪だから、最低限のプロセスで10分以内で洗髪と、体を洗うことができた。
それで、30リットルだった。最低限のシャワーでこれだけ必要になる。
30リットルの熱さ40℃のお湯をどうやって生み出すのだ?
五右衛門風呂でもするのか?
ドラム缶があるのか?
寸胴鍋でやるのか?
誰もちゃんと考えていない。
夫婦で60リットルもお湯がいる。
多分、シャワーを浴びる行為すら、毎日はムリになるだろう。
1週間1回やれたら……いい。刑務所以下。
実験していると「お湯をわかすのは、与えた熱エネルギーに等しい」ことがわかる。
電力、ガスでお湯を沸かす。実は「トータルは一緒」であり
「時間」を短くしたければ「大量の熱を投じる」「時間が長くても機器の負担を減らしたい(低電力な湯沸かし)」だと「長時間熱を投じる」
だけなのである。トータルは一緒。
1000Wの電子レンジで水を沸かすと短時間で済むが、200Wの低電力コーヒーメーカーで沸かしたらその分時間がかかる(単純に5倍)
わかった?つまり、30リットルの水を沸かすには。考えてみる。
私の装備品では最高にお湯を沸かせる装置は「2.2リットル、700Wで沸かせるマイコン電子ポット」である。象印やタイガーの。あれが、低電力でお湯を沸かせるいいツールになる。
T-FALみたいな電気ポットは1000W以上使うので、ソーラーバッテリーシステムでは負担になる。
さて、2.2リットルのポットで沸騰するのには20分ほどかかる。でも、今回はいいところ50℃でいいので、半分としても10分は必要だろう。
30リットルまでに「15回」動作を繰り返せないといけない。
たちまち……「僕は途方にくれる」になる。
そうすると「たき火や炭火で沸かすしかない」「灯油や石油でボイラーつくるしかない」……だが、設備が巨大になり、運用管理も危険になる。
「太陽熱で温水作ればいい」そうやっている人もいる。真空管式の温水装置を自宅の庭に展開して50℃近いお湯を作っている人はDIY強者でいるよ。
それ?持ち運び楽か?ミニキャブミーブに積めるか?無理だな。
こういうのもあるけど、使えるか?わからない。
だから、私の現状での結論は「ソーラーバッテリーで電気ポットでお湯を沸かして、小さなタオルで熱いおしぼりにして体を拭く」程度しか……日々の運用では難しいだろう……と思っている。
洗髪は……まあ、たまに水でやるとか。ぬるいお湯で水量を増やしてやるとか……。
女性は……長い髪の人は……ドライヤーは私のシステムでも短時間なら使えるんだけど。
洗髪シャンプーしたかったら……絶望的かもしれない。
たらいやバケツで、髪をひたしてうまく洗ってもらうしかない。
わかった?あなたは?考えていますか?そういうことを……
あ、洗濯どうするか?次回にする。これだけでもすぐ長くなる。