劣化した鉛バッテリーを復活する方法として「パルス充電」がある。パルス充電ができて人気のメルテックのSCP-1200で実際に「どこまで復活できるか」実験してみた。
実験に使ったのは125D31(72Ah)CCA750の大型バッテリー。
実験前、バッテリーチェッカーで内部抵抗が52mΩになっており、CCAも54A、バッテリーの劣化度を示すSOHは0%と……ポンコツ廃棄レベルだった。
条件 | 仕様CCA | 実測CCA | 抵抗mΩ | SOH(%) | V | SOC(%) |
パルス前 | 750 | 54 | 52.75 | 0 | 12.39 | 59 |
パルス1回 | 750 | 89 | 32.05 | 1 | 12.84 | 100 |
パルス2回 | 750 | 94 | 30.44 | 1 | 12.79 | 99 |
パルス3回 | 750 | 197 | 14.53 | 6 | 13.28 | 100 |
パルス4回 | 750 | 235 | 12.19 | 9 | 13.03 | 100 |
パルス5回 | 750 | 241 | 11.92 | 10 | 12.8 | 100 |
パルス6回 | 750 | 242 | 11.87 | 10 | 12.68 | 88 |
パルス7回 | 750 | 237 | 12.13 | 9 | 13.14 | 100 |
SCP-1200などのメルテックの充電器は「強制的にパルス充電」をさせることができる。1時間のパルス充電をしてから通常充電に移行するので、1時間でやめてやり直す形でひたすらパルス充電を繰り返してみた。
■実験結果
結果として最初の時点で内部抵抗が52mΩで廃棄候補にしていた状態が、6回計6時間のパルス充電でかなり回復した。しかし、劣化したバッテリー自体の容量はさほど回復せず新品時の30%ぐらいに戻すのが精いっぱいだった。SOHも10%しか回復しなかった。
したがってパルス充電は「ダメなバッテリーを根本的に回復して新品レベル、満足レベルに戻すことはムリ」で、残った容量をごまかす程度に回復し「最終的にしぼり取る」程度の余生をバッテリーに与える場合ぐらいには使えるテクとなる。