武田学校

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車中泊に食洗機が必要な理由

 私のコンセプトは通常の車中泊・キャンピングカーライフではなく「サバイバル車中泊」1年、2年……長期であらゆる場所に移動しても「自立」「自己完結性」を維持しながら生存生活をしていくことを目標にしている。

 そのため荷室が広く長方形タイプのEV「三菱ミニキャブミーブ」をベースに高密度のサバイバル生存装備を研究開発し搭載した。約3年の研究開発の末「災害機動司令車ミーブ号」を構築し現在も進化させ明日の発災に備えている。この動画ではそのシステムの一端をお見せする。

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なかでも他では、まずない装備が「食洗機」だ。なぜこのような機器を載せたのか?

 

■災害時は飲み水・調理水がすごく貴重になる

 通常、キャンピングカー生活、道の駅などでの車中泊は外部の上水を「流し水」で得ることができる。しかし、災害・非常時では水道が止まることは当たり前だ。

また、長い災害復旧生活では自治体や避難所の水も枯渇し、多数の避難者に分け与える以上「給水制限」が起きる。

 多くの水害、地震の際「一人2リットルまで」ぐらいになることが多い。そうなると、朝・昼・夜の食事のための水、洗い物の水、洗顔や歯磨きのための水は枯渇することが必至だ。

 食事は3回毎日いる。そのたび自分が流し場で大量の水を流して占有したら、ほぼ「クレーム」「ケンカ」が起き、こうした公共の場所での第三者とのトラブルはほとんどの場合「暴力・殺人事件」にまで発展することが多い。

 だから自給自足・自己完結型の生活スタイルを確立することが大事になる。特に清潔で衛生的な飲料水は最低限の使用にとどめ備蓄を消耗しない工夫がいる。

 

■洗剤を多用する生活スタイルは災害時はNG

 災害時に洗濯や炊事での洗い物で「洗剤」を多用することは危険である。なぜなら、すすぐために上水だけでなく大量の排水も出る。もちろんこれを道の駅や避難所で捨てたら「大クレーム」「大げんかの末、暴力・殺人事件」に巻き込まれることは必至である。

ということは「極力汚水を減らしつつ、炊事や洗濯を行い」「排水を環境汚染せず自家処理する」方法が必要なことがわかる。

 

■タンク型食洗機のメリット

散々考え抜いた末、到達した結論が「タンク式で低電力で稼働する自動食器洗い機を車に搭載しソーラーバッテリーで運用する」ということだった。

ミーブ号には容量7200Whで家電が使用できるバッテリーバンクシステムが搭載されているが、正弦波インバーターが1500Wであり、バッテリー資源を枯渇させないためには1500Wフルで使うのでなく極力低電力で動作する家電で日々運用したほうが効率的である。目安としては車内で使う家電はすべて「500W以下の家電」で揃えると楽に運用できる

調査の結果、シロカのSS-M151などの機種が「500W以下の低電力で動作し1回の洗浄で使用する水の量が5.5リットル」ということがわかった。それで実際に購入して車内に設置、使用してみた。結果は大成功だった。

食洗機がすばらしいのは「圧倒的に少量の水で洗浄できる」「洗剤を使用せず温水で衛生的に油汚れまで落とせる」ことである。

ミーブ号にはアクアポニクス型のハイブリッド生物浄化槽を搭載しており、ここでは魚やバクテリアによって汚水を5時間程で分解できる。そのため生物に毒でない廃液を投入する必要がある。家庭用の洗剤などを用いるとよくない。

なので、純粋に水だけで洗浄できる食洗機の排水は生物浄化槽でも効率的に処理ができる。環境負荷も低いのだ。

実験の結果、食洗機を短時間の39分の「おいそぎ」モードで5.5リットルの水だけで油汚れの食器も2~3人分、洗剤なしで全くきれいに洗えただけでなく、排水は外部に捨てることなく浄化槽に直接流し込んで処理することにも成功した。

1回の洗浄で消費する電力は160Wh(13Ah)であり、バッテリーにも優しい。

 

■装備対象

現状、こちらで対象としている機種は以下。3社とも同じように見える……