武田学校

IQ800の武田校長の頭の中の広大な知的宇宙を一緒に旅するサイト

エアフォースワンに学ぶ

私はサバイバルや危機管理を考えるときアメリカに学んでいる。

アメリカ最高峰のシステムのひとつが「エアフォースワン」だ。

大統領専用機

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「同じものを2つ」……これは、非常時に人間だけ移動すればシステムや機能が途切れなく使えるようにする体制だ。

 

今の日本は貧弱すぎるが、古代の日本は違っていた。京都の上賀茂神社は日本の神社ではまずない「2つ同じ社」が作られて運用されている。「本殿」と「権殿」。その建物と室内は同じに作られ、中の調度品(神様の滞在中に必要なもの一式)も2組が揃えられており、片方の神殿が破壊されてもすぐさまもう一つの神殿に神様が移れるようにしてある。

 

スペースシャトルは同じ機体が6つ建造され交互に運用された。

また、海軍の空母打撃群は11もあり、どれかがつぶれても穴埋めがちゃんとできるようにしてある。

 

こういう体制は、アメリカでは当たり前に考えられて運用されている。

エアフォースワンは、まったく同じ機体が2機用意され、装備も同じものが積まれて大統領の移動時は2機が同時に動いていく。片方がテロや事故、不具合で動けなくなっても即座にもう1機のエアフォースワンに移れば大統領は身の安全も指揮も途切れずできるようになっている。

 

それだけでなく、大統領が死んだ場合、副大統領が即座に職務を引き継げるように、二人は同じ機体には乗らない。

 

システムというのは「マシンや機器」だけでなく「運用も含めた全体計画」が必要。

でも日本はそれができない。だから第二次大戦でも負けた。

アメリカは軍事費に70兆円もつぎ込んでいる国だ。いまだに世界で最高峰の軍事国家であり、その技術には世界最先端のものが湯水のように投入されている。そのノウハウを学ぶことはとても大事だ。

 

この動画を見てわかるのは、エアフォースワンは単なるボーイング747ではなく、機体が核戦争に耐えうるよう防護されており、EMP攻撃でも生存できるようにしてある。

軍用機と同様のチャフも装備している。窓は防弾になっている。

ジェットエンジンは4発であり、これはどれかが故障して止まっても飛行が継続できるようになっている。無駄ではないのだ。考えられた結果である。

 

さらに他国・空港への依存が必要なく、自立して自分だけで離陸・着陸ができる。それだけでなく、ラグジュアリーホテルのようなインテリアで室内の快適性もある。

アメリカ軍の食事は、日本の自衛隊の比でないほど豊かである。エアフォースワンでもコックがそのまま各国首脳をもてなせるだけの豪華な食事を機内で調理し100人以上に食べさせることができる。

巨大な冷蔵庫もあり、食材は毒見された安全な材料が秘密に調達される。

医師も機内で簡単な手術までできる体制で乗り込んでいる。

 

空中給油にも対応しており、空中給油さえできれば何カ月でも飛び続けられ機上で暮らせるというサバイバビリティも確保されている。

 

指揮系統はエアフォースワンからあらゆる回線で5軍(陸、海、空、海兵、宇宙)に行える。電話やネットも地上と変わらず行える。

 

日本もようやく政府専用機は2機運用体制になったが、機体は747でない小さいものになってしまった。日本の政府専用機の内装や、装備はとてもエアフォースワンには及ばないだろう。

 

なぜなら、アメリカのポリシー「2つ同じもの」という体制は……単純にコストが2倍になる。

 

アメリカは廃止された747の機体をわざわざ改造していまだに使っている。この差はなんだろうか?他国を出し抜いて一番いいものを保有するアメリカの姿勢がうかがえる。