武田学校

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サバイバル車中泊で大事な考え方。基本

これから、今、災害と文明崩壊に備えて車中泊システムをつくろう、家にサバイバル装備をしようとする方のため、私が授ける「知恵」です。よく読んで活用してください。

 

私が組んでやっているのは「サバイバル車中泊」のためのシステム。

これは世間動画の「お遊び車中泊」「アウトドアレジャー」とはまるで違うコンセプトです。

私のコンセプトは「15少年漂流記」みたいなサバイバル生活である。

 

■ステージ1「既存電気機器が使える状態」

今、組んでいるシステムは現代社会が崩壊直後、既存電気機器が使えるというレベルでの生活スタイルの構築だ。これをステージ1と呼んでいる。

これは、当面の数年、うまくいけば10年ぐらいは使える。

電気回路系はいやおうなしに経年劣化する。電線被覆、回路の素子……劣化は免れない。

 

■ステージ2「江戸時代以前の生活スタイル」

もし、サバイバル生活していて電力供給、電気製品が使えなくなったら「江戸時代以前」に生活スタイルを組み替えることになる。これがステージ2。

 

■サバイバルシステム構築の考え方

私は、サバイバルシステムについては世界最強の米軍をお手本にしている。そこでのポイントはこれだ。

 

1.機器など同じものを2つ以上用意する

アメリカは大統領専用機「エアフォースワン」の運用が有名である。同じ機体、食料から機材すべて「うり二つ」にして、同時に運行し、非常時片方がアウトになっても、すぐさま人員だけ移動すれば元通りの体制で運航できる。

大統領専用車「ビースト」も同様に複数台製造され、スタンバイされて運用される。

スペースシャトルの場合は6機製造されて、同じように運用されていた。

空母打撃群は11も艦隊が作られ、どれかが壊滅しても補完できる。

実はこのような仕組みは、日本にもちゃんとあった。

それが京都の上賀茂神社である。通常神社は、11年ごとの式年遷宮などで神殿を建て替える際、神様を「権殿」というもうひとつの神社に移動するのだが、たいていは「仮屋」程度である。

だが、上賀茂神社では権殿はちゃんと同じ建物が真横にあり、中の調度品も同じにそろえてある。そのため神様は右から左に移動するだけで済む。

これは、日本では上賀茂神社だけだという。

つまり日本ではすでにアメリカ軍より先にこういう思想がちゃんとあった。

だが、以後採用されないのは「莫大なコストがかかる」からである。

単純に2倍かかる。

なので、サバイバルシステムを構築する際は「生存性」を高めるため、同じ機器を2台以上購入して運用する。こうすれば、万が一1台が故障したり、部品破損が起きても最悪もう1台の動作が速やかに行え、部品も流用できる。

こういう考え方はとても大事である。

 

2.電力システム

■カセットコンロやエンジン発電機がダメな理由

サバイバル車中泊、ステージ1では電力システムがメインである。火はめったに使わない。車中泊では車内・車外においても火の使用は発火・爆発事故や犯罪に巻き込まれる可能性を高める。また全天候での使用でも不利。

さらにRVパークのような施設でも火器の使用は禁止されていることが多い。

そのためカセットコンロ、火鉢などに頼ったり使用しないエンジン発電機も外部のガソリン依存になる上、騒音、においでNGである。

 

なのでソーラーバッテリーシステムをメインに現代生活の便利な家電を車内で利用できるようにし、車内で家事が完結することを目標とする。こうすれば、野営する際、車外での作業ができない場面。雨天、暴風雨、雪、夜間でも他人に迷惑をかけることなくプライバシー保って持続的に生活が可能である。

 

そのため、AC100V、DC12V、USB、乾電池式充電池……4電源での稼働が可能な家電を揃える。

この4つの電力利用はソーラーバッテリーシステムを組むことで実現できる。

正弦波インバーターによってAC100Vが得られ、これはたいていの家電を使用できる。

自動車バッテリーからのDC12Vでは、USB電源も得られる。

USB電源は低電力ながらもLED照明、スマホ充電、小型家電の動作が可能である。

さらに乾電池式の充電池はサテライト、野外、離れた位置での家電の使用を可能とする。

 

3.水

生存に必要なのは水である。「信頼できそのまま飲める飲料水」が必要であり、さらに「飲まない作業のための水」洗濯や食器洗いの水である。さらにトイレの水もいる。

「信頼できそのまま飲める飲料水」は、ペットボトルの水、タンクの水を購入して使用するが、第一次的、非常時的に考えるべきである。

サバイバル生活は1カ月、半年、1年、数年に及ぶので、長期的に水を確保する方法、手法が必要となる。そのために「浄水システム」が必要となる。

 

4.食料

さらに長期の生存生活では食料が必要となる。これも、レトルトや缶詰、カップラーメンではコスト、保存期間などで限界がある。

調理済み食品は一時的な使用にとどめ「基本材料」で「調理」することが必要となる。

穀物や調味料群を持つ方が保存性でも有利だし、容積的にも有利である。

ソーラーバッテリーシステムによる家電が使用できる場合、調理は可能となる。

ご飯は、精米すると日持ちが悪くなるので玄米で保持し、食べるときに精米して炊く。

また「最低限の水」で調理できることが必須となってくる。

自治体の給水車が機能してそれに頼る場合、1人2リットル程度である。

カップラーメンがダメな理由

カップラーメン1人分で400ミリリットルもの水を使う。しかも大部分のスープは捨てることになり「生ごみを増やす」ことになる。カップラーメンは長期のサバイバルや災害車中泊にはまるで向かない。

ゴミの増大はサバイバル生活では致命的。世間では不法投棄が増えるだろうがモラル的にはしたくない。キャンプ場や野営では食事の痕跡や残飯投棄は「熊」「スズメバチ」を呼ぶ。生存面でも不利。

スマートにクリーンなサバイバル車中泊・野営生活を実現しないといけない

食材廃棄が少なく、最低限の水で調理できるのは「炊飯器」である。

私は低電力の炊飯器によって和洋中の食事が自由自在にレストラン並みの味で作れる手法を次々と開発してきた。なので災害時でも通常時と何ら変わらない食生活が実現できる。

 

5.トイレ

通常、車中泊では公園、道の駅、公共施設のトイレを利用することになる。だが、それができない場合、トイレが使用不能状態の場合は、自分で済ませないといけない。

通常は「ポータブルトイレ」「簡易トイレ」……いずれも「ぼっとん」である。

固めるトイレも、袋や薬剤の数が膨大にいる。長期のサバイバル生活では現実的ではない。

これもバイオリアクターを用意して車内で生分解して処理できるシステムを構築しないといけない。

さらに駐車・野営時にサテライトのトイレをテントなどで構築して女性でも安心してトイレができるようにする体制が必要である。

 

6.排水

車内で調理や洗顔、歯磨きなどをすると大量の排水が出る。アメリカのキャンピングカーなどでは30リットル以上の廃液タンクを用意したり、日本でも10リットルぐらいは用意しているようだ。これを行先で下水として捨てている。

だが、こちらもバイオリアクターを用意して車内で生分解で処理できるようにする。

 

■サバイバル車中泊は「小さな宇宙船」

つまり、1~6までやることは「地球上で小さな宇宙船を運用する」のと一緒である。

外に出なくても車内で完結する。

そういうコンセプトでシステムを組んでほしい。