知人の元内閣調査室の人が「この本は歴史や軍事を学ぶなら一度は読んでおくべきですよ」と教えてくれたのがこの本だった。訳者の妹尾作太男様(元防衛研究所)とはその後お会いし、彼の上官だった井上成美旧大日本帝国海軍大将の案件をやることになった。
アメリカの陸軍大将だったA.C.ウェデマイヤーの第二次大戦中の回顧録だ。自分の人生を通して第二次大戦が始まって終わるまでの著者の視点がつぶさに語られる。小学生でも読める本なのでぜひご家族で読んでほしい。
この中で印象に残っていたのは
1.戦場での部隊の生存率は、その部隊の装備品の整理整頓がきちんとしているかに比例していた。
2.過去の大戦でのその国の戦死者は最悪でも全国民の10%程度である。
3.日本と違って中国はアメリカには統治不能な信頼も信用もできない連中だ。アメリカは中国を直接統治するのはダメだ。
4.どの国も民族や思想、宗教が違っていても人としての道徳や生き方は変わらないよ。
世界最高峰の米軍の現場でもまれた人が語るホンネなので説得力がある。軍事でなくても我々には、企業、研究所、工場、職人、自営業であろうと……
「部隊の生存率は、その部隊の装備品の整理整頓がきちんとしているかに比例していた」
つまり、道具や部品、書類などきちんと日ごろから整理整頓された現場、職場は……「パフォーマンス」がいいと……いうことだ。
死人が出る、もっともシビアな戦場で得られた科学的な教訓なのだから。
ということで自分も整理整頓しよう……っと。
4.は将軍が書の終わりでポツリと言う内容だが……グサッと心に刺さるね。