武田学校

IQ800の武田校長の頭の中の広大な知的宇宙を一緒に旅するサイト

人生のトラップ「10田舎移住の落とし穴「賃貸住宅が借りられない」理由」

 ここ数年、サバイバル避難のための移住コンサルティングを有料でしています。
やっている人からは「安いです」って言われます。
 何件も候補を探しては一緒に「いい」「悪い」を考え、どう対応すべきか教えています。

 ほとんどの人は「不動産屋との対応知らなさすぎ」「最初からだまされまくり」「大金ふんだくられ」で、あまりにもひどい「カモ(鴨)」になってしまうので。
 救済ですね。ほとんど。

 多分、読者のなかには、私がどういうスキルや経歴か知らない人もいるので、そういう人は「武田さんは仕事が早い。不動産屋よりすごい」って言われちゃいます。

うーん。妻に「なんか、俺のこと【仕事ができる】って言い方するけど、失礼だよなあ」
妻も「失礼よ」

妻は私が有名企業の数々の案件、しかも社長特命案件を行い、企業幹部と仕事してきた「実務家」だということを理解しています。

といっても、分からない人がいそうなので、もうちょっとレベル下げて言うと「菅官房長官」みたいな「実務家」だということです。

そんな人間が、あんまり物事わかってない人のために「激安」で自分の時間を使って、その方の移住がうまくいくように手取り足取り……アドバイスしてあげています。

「安全な候補地」「土地の見方」「物件の問題点の探し方」「不動産屋・売主との交渉のテクニック」「リフォームのしかた」……など。

自分でやって苦労した人なら、「登山中にたどりつけた石清水を飲む」ほどの実践的で使えるありがたいノウハウをアドバイスしています。

 

■地方移住の「定石」は?

地方に移住する場合、私は
「まず、現地を知り、慣れるため賃貸アパートやマンションに一回住んで、地元に根付きながら、じっくり戸建て物件や土地を探し検討するのがいいです」

と、言っています。

私が東京でベンチャーキャピタルの仕事をして、栃木県那須町に移住した時、最初は杉並の家から1泊2日でレンタカーを借りて東北自動車道那須まで「旅行がてら」「現地物件を探す」状態でした。これでは、じっくり調べることは無理です。

それで隣の那須塩原市のアパートにいったん引っ越して現地人になり、地元で職も得て家を探しました。2年かかりました。ようやく900平方メートルの土地を確保し一級建築士に頼んでフルオーダーで新築住宅を建てました。

ですから、本当は皆さんにもそれぐらいの「準備」をしてほしい。でも、今はいつ、東南海トラフ地震が襲うかわからない状態です。

実は今回の移住コンサルティングをしている際、損害保険会社は顧客サービスで「トータル災害リスク」をレポートしてくれるのですが、そこでは「東南海トラフ地震の発生リスクは最上位」になっているのです。

つまり、保険会社はすでに「東南海トラフ地震スタンバイ」で構えています。
これが現実です。

私が「早く、東京から逃げろ。大都市から逃げろ」って2014年から言い続けてきたの……ホントだったわけです。

なので、その当時から、お金持ち、セレブ、芸能人の人は相次いで「いい物件を探して」「とっとと移住」「第2の家」を準備してしまいました。

でも、今になって「武田さん助けてくれ」って駆け込んでくる人たちは、正直「遅い」んですが、「何とか助けてあげたい」と思ってやっています。

でも……大変な「壁」が彼らの前にたちはだかっているのです。

 

■地方の不動産屋

ところが地方で「賃貸住宅を借りればいい」と安易に思う人は「ほとんどNG」くらうのです。

どういうことか?

それは「地方の不動産屋、大家ほど、前近代的で保守的で差別思想が満載」
だということです。

地方の不動産屋、東京人のような「消費者保護」とか言う概念「ゼロ」です。
ゴロツキだらけです。

以前、山梨県小淵沢に別荘を買おうとして調査した時、街を歩いても不動産屋がないのです。しかたなく集落の工務店に駆け込んで、物件や地勢の話を伺ったのですが、
「なんで、小淵沢には不動産屋の看板の店がこんなにないんですか?」
って工務店の社長に言うと
「(小さい声で)山梨では不動産屋=ヤクザだと思われているんです。だから、不動産屋って看板出せないんだよ。しかたなく俺たちみたいな建設業が兼務してやっているんです」
と「実態」を教えてくれました。

これぐらい……都会と田舎では感覚が違うのです。
だから、田舎の「田舎暮らし物件」を扱う会社って東京の不動産屋とかが多いわけです。
もちろん……そういう物件のほとんどが「だまし」「ぼったくり」の内容です。

でも、笑っちゃうのは、東京人は「それでも東京より安いよね」って飛びつくんです。

私、悪徳不動産屋やったら、偉い儲けられると思います。しませんけど(笑)

そういう状態なんです。

だから、私はそういうひどい不動産屋の「えじき」にならないように、自分の経験やノウハウ、実務家としての能力を生かして「助けて」あげているのです。

 

■賃貸の「壁」
 ということなので、あなたが東京の都会に住んで「お金もあるし、気分で田舎に住んでやる」という「甘い感覚」は、「とんでもない平手打ち」をくらうことになります。

 私も、東京のベンチャーキャピタルで仕事してから、那須に移住して、現地の会社に面接に行った時、不動産屋もあったんですが……そこ、どう見ても掘っ立て小屋のプレハブで、出てきた社長は「田舎オヤジ丸出し」の下品な人でした。

 私の履歴書をいちべつして、開口一番に何といったかというと
「おう、なんで、ここに来たのかね?なんか夜逃げでもしたのか?」

……思わず「なんだこの野郎」って思ったけどね。
「お前の会社のほうが、田舎の土建屋のゴロツキだろが。言われたくないわ」
って思いましたけどね。

だから、あなたの
「東京で一流企業のサラリーマンして、田舎でロハス生活でもしたいので」
なんて理由は……現地人からしたら「変な人」にしか見えないんです。

 なので、実は、田舎で賃貸を申し込むとき、ほとんどの人が「ヤバい展開」になるんです。

 わかりました?「あなたが、現職で定職のサラリーマンや公務員とかでないと」「入居審査で落ちる」のです。

じゃあ、例としてこういうキャラの人が、地方の賃貸アパートを申し込んだとします。

1.年齢40歳、男性、あるいは女性
2.独身
3.仕事はフリーランス、前職派遣、退職サラリーマン

不動産屋って、内見時「お客様シート」に必ず、
「あなたの氏名」
「年齢」
「職業」
「年収」
「家族」
をさりげなく書かせると思います。これ大事なポイントなので書かせるわけです。

書くのを渋ったり、書けないと
「言えない悪いことしているんだね」と「NG」くらいます。だから絶対書くことになる。

契約じゃないけど、不動産屋とのファーストコンタクトで絶対なのが、この作業です。

でも、不動産屋は目の前であなたが、お客様シートに書いているのを眺めながら、その「ポイント」をチェックしていきます。

それでは、あなたが書いたシートを、私が不動産屋側の視点でチェックしましょうか?

「あなたの氏名」:ハム太郎
「年齢」45歳
「職業」フリーランス(自営)
「年収」300万円
「家族」独身。実家には老齢の母がいます

……ハム太郎さん「ちゃんと書いたよ」「いいでしょ?」って思うわけです。

でも、不動産屋側の私にはこうイメージされます。

フリーランスか?ちゃんと家賃払えない可能性大だな。」
「そして独身?この年で結婚もできてないの?変人?あぶないな。なんかあるな」
「老齢の母じゃ、生計ないから保証人にも使えないな」

……判定「貸せない」

そして、不動産屋はどうするかというと、「ここがいいです」ってあなたが求めている、小ぎれいだったり、ちゃんとしたアパートやマンションを紹介しないです。

その代わり「ヤバい人が住んでもいい、変死になったかもしれない」ような物件ぐらいしか「出さない」です。

えー。そんなにシビアなの。はい。

それで、不動産屋は「そいつの人物調査、深堀り」をトークでしだします。

「ありがとうございます。えーと、フリーランスってどのようなお仕事ですか?」

「はい、Webライターです。」
「はい、コンサルタントです。」
「はい、IT系です」

……いちおう、仕事名言ったとしても、ダメなんですね。

なぜなら、「フリーランス」ていう時点で「安定ないわ」でジャッジされてしまう。

あなたは「でも年収300万円あるよ。確定申告だってあるよ」
……違うんです。

「それ、来年も保証ないでしょ?」
それ自体も信用されない。
そういうこと相手が言って信じたところで「滞納」してきた、ひどい経験を何度もしているからです。

でも、フリーランスでも通る「肩書はあります」

「弁護士」「医者」「税理士」「行政書士」「司法書士」「建築士」「教師」……

そう「士業」ですね。これだったら「まあ、いいか」ってなる。

でも、普通の仕事だとダメだと思います。

えー、じゃあどうしたらいいの?

「前職の会社在籍」だと使えますね。

私が那須の賃貸に申し込んでOKされたのは、前職の会社名(ちゃんとしたところ)を書いたからです。
会社員だと言えたからです。

あと、特殊なのは「学生」ですね。その地区の大学や専門学校などに行く学生ならいいけど「親の保証人」が当然いります。

「無職」は、ほぼ無理ですね。
「主婦」もダメだよ。

「フリーター」も、きびしいな。

「アルバイト」「パート」うーん、「どこですか?と即答できるならいいけど」これもきびしいね。

「派遣」まあ、派遣会社は大きいのでその所属だとギリギリかな。でも、NGされるかもしれない。

「年金」は、ギリギリ通るかもしれないけど
「年齢がいってますよね」「家で孤独死するかも」
と、不動産屋は連想します。だからNGにすると思います。

老人は「老人、孤独死OKの物件」に誘導します。

「会社経営」も、その会社名いえて、ホームページとかもあって
TSRや帝国データバンクの与信で検索して出るような会社なら
いいけど。

わけのわからん、中小企業だと……NGにされるでしょう。

あと「ネットワークビジネスディストリビューター」なんて
自分で得意満面で言ったら「終わり」です。
新興宗教自己啓発セミナーとか「口にでも出さない」ほうがいいでしょうね。

いえば「ヤバい人」扱いです。何とかウェイとか。

「スピリチュアリスト」……ブー
ロハス生活者」……ブー

ひどいね……あなたがた、人間扱いされないんですよ。

賃貸で通るためには「会社員」「公務員」「団体職員」とか「正社員である」と書けることが、第一ハードルになります。

あとは……振り落とされてしまう。

なので
「今の会社やめて、田舎で一人で気ままに暮らそう。家借りよう」

というあなたの純粋な気持ちは、のっけから「踏みにじられる」ということです。

 

■不動産屋に行くときは「正装」「カジュアルでも品がある」服装がいい
 不動産屋、黙っていて「その人全身観察」しています。
 やっぱ、スーツできちんとした靴、ベルト、背広。あるいは、カジュアルでもヤンキーとかでない品がある、清潔感がある服装は「絶対」です。

 だらしない、普段着で行くのはやめたほうがいいです。

 

■どうする?
 それで、たぶん「ちゃんとした職業」「一定の年収」が言えない人は、田舎の賃貸はほとんど「超ヤバい物件」ぐらいになる。

 というより田舎の賃貸物件は「数が少ない」んです。東京みたいなレベルでまるでなく、探してもすぐ枯渇してしまう。

 あと、あなたが最初に申し込んだ不動産屋は、あなたの「ヤバい属性」を把握すると、その情報は地元の他の不動産屋でも共有されることが多い。

 田舎なので「ウワサ―ネット」と私は呼んでますけど。インターネットより早く「悪いよそ者の情報」は流れます。

 どうしてかというと、不動産業者同士は実は連絡し合うことも多い。貸主の不動産屋、借りる側の不動産屋は電話で「えーと、今度申し込みの●●さん、どういう人?」って簡単に聞かれますので。

もちろん、借りる側の不動産屋はそれなりに色つけて「擁護」してくれるけど。
それでも、ニュアンスとか、わかるんですよ。
プロですし、何人も人を見てきているので。

田舎の家主は、ひまつぶしで経営しているので「あー、いいよ」と簡単に言ってくると思ったら逆です。

保守的です。「変な人いれないでほしいわ」って不動産屋に言っているんですよ。
だから、不動産屋も家主には逆らえないので、仕事として「選別」しますよね。

その田舎の家主の「常識」は
「名だたる企業の会社員がベスト」「年収もちゃんとある」「結婚していて変態とかでない」「公務員」「JA職員」「郵便局」「病院職員」……とかの人がベストです。

ですので田舎で賃貸が通らない人は「市営、県営住宅」「UR」「ウィークリーマンション」
になると思います。こういうところはしがらみないので。でも、あなたの希望する場所や条件とは違うかもしれないです。

あとは、行政があっせんする「空き家バンクの賃貸」だけど、これも不動産屋が入る以上、審査は同じだと思います。甘くしてくれるならいいけど。

なので、「あなたが思う通りの、いい物件」って入れない可能性高いと思ってください。

つまり、都会のあなたが、田舎に移住するときは「賃貸」よりは「住宅購入」が、一番近道でやりやすいという……ことになります。

でも、今度は「お金」が現金でいります。

住宅ローンは40歳過ぎた人は自分の条件がちゃんとしないと、まず無理ですので。

キャッシュ無い人は、買えないです。