武田学校

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人生方程式

人生方程式

 

武田宙大    

 

私が開発したメソッドのひとつに人生方程式がある。人間の生き方や行動を決めるための意思決定に使え、あらゆる分野で利用できる。

 

やり方を説明する。とても簡単である。

 

■問題の設定

まず、自分が解決したい問題(命題)を設定する。おもに人生の悩みなどの解を探すのに使用しているので、読者にも身近でなじみやすい問題にしよう。

 近年、会社で働く人がうつ病になるケースが多いことが社会問題となっている。

 それで、まず主語(S)と動詞(V)だけの文章を書き出す。これはPCでも携帯でもスマホでもいいし、鉛筆でメモ帳に書くだけでもいい。修飾表現は省く。シンプルになるまで削ってほしい。動詞(V)は「である」「なった」など結果を意味することばに絞り込むといい。

 

「私は、うつ病になった。」(S+V)

 

次に、「うつ病になった(V)」の「理由(R)」を思いつくだけ箇条書きしてみよう。それから文章をふくらませる。

  • 会社に行って(R1)
  • 仕事をまじめにしていて(R2)
  • 上司の期待にこたえようとして(R3)

こんな感じだろうか。理由の順序はこの場合さほど関係ない。書き出したらS+R+Vに文章を組み換える。

 

「私は、会社に行って、仕事をまじめにしていて、上司の期待にこたえようとして、うつ病になった。」

 

これで人生方程式が完成した。

 

■人生方程式を解く

 それでは、人生方程式を解く。理由(R1、R2…)と動詞(V)をそれぞれ逆の意味に直す。動詞部分を逆の意味にすること。

 変換後の文章はこうなる。

「私は、会社に行かず、仕事をまじめにしないで、上司の期待にこたえなかったら、うつ病ならなかった。」

 

これが解である。したがって、このとおりにすれば問題は解決する。そして問題に対してこの解を超えることはないというのが私の感想である。解を無視した方法では問題が解決しないのである。

 

さて人生方程式は自分の問題だけでなく、一般的な問題を考えるのにも役立つ。

たとえば、「もてない男性が女性にもてる方法」という命題を人生方程式で解いてみよう。

 

(元の文章)

もてない男性は、自慢話をして、自分ばかり話をして、口臭や体臭がして、気がきかず、空気が読めなくて、服装がダサい。

(変換後)

もてる男性は、自慢話をせず、自分ばかり話をせず、口臭や体臭がしなくて、気がきいて、空気が読めて、服装がダサくない。

 

どうだろうか?十分使えると思うが。この解に忠実に読者の男性も実験してみてほしい。きっと女性にもてたという感謝の報告が舞い込むことを期待している。

ほかにも

 

(元の文章)

「物欲まみれになると地獄に落ちる

(変換後)

「物欲まみれにならなければ地獄に落ちない

 

(元の文章)

「美人と薄命になる

(変換後)

「美人でないと薄命にならない

難しいところだ。

 

■社会問題などへの適用

(元の文章)

少子高齢化社会になるので増税が必要

(変換後)

少子高齢化社会にならなければ増税が必要ない

 

これが解なのに、これ以外の方策をとるというのは実は解決しないということを意味している。おわかりだろうか。増税しないようにするためには「多子低齢化社会」にすればいいのである。賛成者は少なそうだが。

 

(元の文章)

二酸化炭素の排出が増えると地球が温暖化して海面が上昇する。」

(変換後)

二酸化炭素の排出が増えなければ地球が温暖化しないで海面が上昇しない。」

 

でも、これも「増える」より「ある」に直して解いたほうが的確かもしれない。

 

(元の文章)

「国家の財政が破綻するから戦争が起きる

(変換後)

「国家の財政が破綻しないから戦争が起きない

 

つまり戦争を防ぐには国家の財政が破綻しない状態になっていればいいのである。貿易不平等や国家の経済破綻を防ぐための外交や国家間の調整は戦争を防ぐためにとても有効だということである。またそれが失敗すれば戦争が待っているということである。

 

(元の文章)

「ストレスがひどいのでドラッグに頼る

(変換後)

「ストレスがひどくなければドラッグに頼らない

 

つまり、麻薬問題を解決したければ麻薬取引ばかりを取り締まっていてもダメで、そもそも使用する人のストレスをひどくしないような社会政策やメンタルケアが必要だということなのである。この解を無視して目の前の現象についていくら対策をうっても問題は解決しないということである。

 

 このように人生方程式は簡単な方法で、人間の意思決定の迷いを取り除き的確な行動ができる解を導くことができる。

なぜ解けるのだろう?そもそも問題を書き出し、その理由を書き出した時点で、その本人が誤ったクリティカルパスによる思考や行動をしていることが明らかとなる。ということは逆をすれば、良くなるということである。

 しかし、言い換えると、多くの場合、人は自分の意思決定を客観視することをせず次の意思決定の連鎖を行っていることが実は多いということなのである。

 

■まとめ

 人生方程式を用いて、自分の行動を先にシミュレーションして、それから決めればうまくいく。